AIで作ったデザイン画をもとに、横幅約70cmの椅子を3Dプリントしました。素材は PETG、造形にかかった時間は約5日です。
もともと屋外に置くつもりで作った椅子なので、素材は屋外に向いたPETGを選びました。この記事では、PETGがどんな素材で、よく使われるPLAと何が違うのかを、造形の様子や強度の確認とあわせて紹介します。
01PETGとは
PETGは、ペットボトルに使われる PET(ポリエチレンテレフタレート)に、グリコールという成分を加えて作り替えた樹脂です。名前の最後の「G」は、このグリコールのことです。
PETのままでは、溶かして積み重ねる3Dプリントには扱いにくい性質があります。グリコールを加えることで、溶かして成形しやすくなります。そのため、3Dプリンター用の材料として広く使われています。
3Dプリントの材料として見ると、PETGには次の特徴があります。
- 熱に強い。PLAが60℃前後で柔らかくなりはじめるのに対し、PETGはおよそ80℃まで形を保つ
- 水や湿気に強い。屋外や水まわりでも使いやすい
- 衝撃で割れにくい。硬さはPLAより劣るが、少ししなるぶん、ぶつけたときに欠けにくい
苦手なこともあります。溶けた樹脂が糸のように伸びやすく、造形中に細い糸が張りやすい素材です。温度や送り出す量の調整に手間がかかります。
02PLAとの違い
3Dプリントでいちばんよく使われるのは PLA です。2つをくらべると、向いている用途の違いがはっきりします。
| PLA | PETG | |
| 硬さ・強さ | 硬く、力がかかっても変形しにくい | PLAより柔らかく、少ししなる |
| 衝撃 | もろく、欠けたり割れたりしやすい | 割れにくい |
| 熱 | 60℃前後で柔らかくなる | 80℃前後まで保つ |
| 水・湿気 | 屋外に長く置くのには向かない | 水や湿気に強い |
| 造形のしやすさ | 扱いやすい | 糸を引きやすく、調整が必要 |
| 向いているもの | 屋内の置物、オブジェ、試作 | 屋外で使うもの、水まわりで使うもの |
03PETGを選んだ理由:屋外に置くため
この椅子は、屋外に置くつもりで作りました。
屋外で問題になるのは、雨と、夏の熱です。PLAは60℃前後で柔らかくなりはじめるので、真夏の直射日光の下に置くと、変形するおそれがあります。PETGはPLAより熱に強く、水や湿気にも強いので、屋外に置くものに向いています。
同じく屋外で使うことを考えて作ったFolding Stool / Tableも、PETGで作っています。
04横幅約70cmを、約5日かけて造形
デザイン画の座面には、中心から広がる渦のような模様と、泡のような丸いくぼみが並んでいます。この模様をそのまま形にして、椅子全体を大型3Dプリンターで造形しました。
3Dプリンターは下から積み重ねて形を作るので、座面の下のように何もない空間の上に張り出す部分は、そのままでは作れません。造形中は枝分かれした細い支えを一緒に作って下から支え、造形後に取り外しています。
05強度を確かめる
座面に立って跳んでも、壊れませんでした。
06データ
| 素材 | PETG |
|---|---|
| 横幅 | 約70cm |
| 造形時間 | 約5日 |
| デザイン | AIで作ったデザイン画をもとに3Dデータを設計 |
07家具や大型の造形をご相談ください
椅子、スツール、テーブルなどの家具、店舗の什器、屋外で使うものなど。使い方に合わせて素材を選び、形の設計から大型3Dプリントでの造形まで担当します。
AIで作った画像やスケッチが1枚あれば始められます。画像がまだ無い場合も、デザインからご相談いただけます。
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